ある日突然 歯が割れた。
いや、突然ではない。
今思えば予兆はあったのだ
予兆どころではない。明確に「歯に異常がある」と気付いていたのに
歯医者嫌いの私はまだ大丈夫だと問題を先送りにしてしまったのだった。
事の始まりは食事中の痛み。
左側の歯でちょっと・・・いや、結構固い何かを(覚えていない)勢いよく噛んだ時に
奥歯に激痛が走った。
「痛っ!!」
痛い。涙が出るほど痛い。
私の食いしん坊&早食いが災いした。
ゆっくり噛めばこんな事もなかったろうに勢いよく噛んだせいで
こんな目に合ったのだろうか。
もう早食いはやめよう、ゆっくり食べよう
涙目でそんな事を考えていた。
(ちなみに早食いは治っていない。)
しばらくすると痛みも治まったが
用心のために右側だけで食事を再開。
あ~びっくりした。
まあ、今後は気を付ければ大丈夫でしょう…と
食事を終えた。
何もかも終わったと思っていた。
だが実はこれで終わらなかった。
ここからが始まりだったのである。
しばらくは何事もなく平和に食事を取ることができていた。
数日後、きゅうりのお漬物をポリポリ食べていたら
左奥歯に激痛。
歯が痛いというか歯茎の奥が痛いというか
今までに味わったことのない痛み。
感覚としては上下のどちらかではなく両方痛い。
歯に何かあるのか?
試しに冷たい物や熱い物を歯に当たる様に飲む。
特に染みない。平気。
じゃあ歯じゃないのか。
この判断は大間違いなのだがなにせ歯医者嫌いなので
無意識に歯医者に行く道を閉ざしたのだろう。
これは歯茎が原因かな?
歯周病とかかもしれないなぁ。
自分に都合の良い解釈をするのに必死である。
まあ、歯周病でも歯医者にはいかないといけないんだけどね。
とりあえずネットで検索
「物を噛む」「歯茎が痛い」等々
単語を組み合わせて検索すると
「固いものを勢いよく噛むと歯茎が炎症を起こす」
と言う一文にたどり着いた。
あ、あの時の
すぐに思い当たった。
忘れるはずもない、あの痛み。
なるほど、あの時に炎症を起こしたのか。納得。
対処法は…そちらであまり噛まない事か
ふんふん。気を付けよう。
極力やわらかい物を食べ、固いものは右側で
これでなんとかやり過ごしていた。
そんなこんなで一週間くらい経っただろうか。
ゆっくり噛めば特に痛みもなく
ああ、やっぱり炎症を起こしていたのかと安心していた。
その安心が油断を招いた。
夕食の鶏むね肉の唐揚げを勢いよく左の奥歯で噛んだ時
痛みが走った。
前ほどではないが痛い。びっくりした。
だから勢いよく食べるなってば。
せっかく治りかけていたのに、私の大馬鹿者。
痛く感じているのはやはり歯茎。
これは私に落ち着いて食べろと神様が言っているに違いない。
すいません、これからはゆっくり食べます…とバカなことを考えていた。
いや、早く歯医者に行けよと突っ込まれても仕方ないがそれでも私は歯医者に行かなかった。
それから何日が経ったか
歯茎(?)の痛みも治まり、
「なーんだ、やっぱり歯茎を傷めてただけかあ」
なんて能天気なことを考えていた頃に事件が起こった。
そう
歯が割れたのである。

